藤井先輩の私。

「この前、私、なんで帰っちゃったか。先輩わかりますか?

……やきもちです。


すっごくくだらないことかもしれないですけど、私先輩があのお姉さんズに笑顔向けてたり、お話ししてたりするのすごく嫌だったんです。

先輩は私にだけ優しくって、私にだけ笑顔を向けてさえすればいいって、とっても嫌な感情が私の中でぐるぐるしちゃって……爆発しちゃいました。

私、怒ったりするの苦手で…だからうまく…えっと…


先輩のことが大好きなんです。…やきもち焼いちゃうくらい。


先輩と一緒にいるのがとても…幸せで、えっと…えっと…先輩のことが好きで…

あれ?私先輩が好きしか言ってないような…伝えるって難しいなぁ…うーん。


これからも先輩とずっと一緒にいたいです、だから私のこと嫌いにならな…」


「嫌いになるわけない!!」





えっ……。




先輩…!?





先輩は上半身を起こすや否や、私の手をグイっとつかんで強く引っ張った。


体は自然と先輩の胸に着地して、抱きしめられる体勢になる。


頬がぐっと熱くなる。



「先輩…い…いつから起きて…」


「ごめん…最初から起きてた」


「…そんな!!は…恥ずかしいぃ」


予行練習だったのに…聞かれてたなんて。

穴があったら入りたい。


というか、今も相当恥ずかしい体勢だけど。

心臓の音、絶対先輩に聞こえてるよぉ。
< 94 / 103 >

この作品をシェア

pagetop