藤井先輩の私。
「この前、私、なんで帰っちゃったか。先輩わかりますか?
……やきもちです。
すっごくくだらないことかもしれないですけど、私先輩があのお姉さんズに笑顔向けてたり、お話ししてたりするのすごく嫌だったんです。
先輩は私にだけ優しくって、私にだけ笑顔を向けてさえすればいいって、とっても嫌な感情が私の中でぐるぐるしちゃって……爆発しちゃいました。
私、怒ったりするの苦手で…だからうまく…えっと…
先輩のことが大好きなんです。…やきもち焼いちゃうくらい。
先輩と一緒にいるのがとても…幸せで、えっと…えっと…先輩のことが好きで…
あれ?私先輩が好きしか言ってないような…伝えるって難しいなぁ…うーん。
これからも先輩とずっと一緒にいたいです、だから私のこと嫌いにならな…」
「嫌いになるわけない!!」
えっ……。
先輩…!?
先輩は上半身を起こすや否や、私の手をグイっとつかんで強く引っ張った。
体は自然と先輩の胸に着地して、抱きしめられる体勢になる。
頬がぐっと熱くなる。
「先輩…い…いつから起きて…」
「ごめん…最初から起きてた」
「…そんな!!は…恥ずかしいぃ」
予行練習だったのに…聞かれてたなんて。
穴があったら入りたい。
というか、今も相当恥ずかしい体勢だけど。
心臓の音、絶対先輩に聞こえてるよぉ。