浮気彼氏はあたしの下僕〜フキゲン恋愛注意報
「え……虎太」
「キスしてる時の綾香の顔見てたら我慢できねー」
それって……あたしに欲情してくれたってこと?きちんと女として見てくれてるんだよね?
「綾香……」
本当に余裕のない虎太の表情とあたしの名前を呼ぶ声。それだけでドキドキする。
ゆっくり、あたしの唇を確かめるようにキスをしてきた。優しくて、愛しい……
………‥‥『あの夜、虎太くんのキスは優しかったもん。愛しいものにしかしないようなキスを何度もしてくれた』
――っ!!
真奈美の言葉を思い出して、目が見開く。キスに酔いしれていたあたしの体の熱は一気に冷めた。