浮気彼氏はあたしの下僕〜フキゲン恋愛注意報
あたしの隣に横になると、虎太は背中を向けて声を出さずに静かに泣いていた。
あたしはその震える背中に抱き付いてしまいたかったけど……グッと我慢した。
だって、もうあたしの答えは出た。そして虎太も。
どれくらいの時間そうしていたんだろう。異様な光景だった。愛し合うベッドの上で二人背中を向けて泣いているなんて……
虎太はゆっくりと起き上がると、鼻をすすった。
「……わり。泣くなんてかっこ悪い。お茶飲むか」
自分の涙を無造作に拭いて、コンビニ袋からペットボトルを取り出すと、あたしに手渡してきた。
あたしはまだ涙が止まらなくて、うまく声が出せなくて頷くことで精一杯だった。