浮気彼氏はあたしの下僕〜フキゲン恋愛注意報
「山ね、了解。すごく景色がいい場所を知っているんだ。この時期でも涼しいよ」
「へー。楽しみ」
ドライブくらいが一番当たりさわりないよね。海デートはどうにか回避できてよかった。
ストロベリーとチョコミントのアイスクリームを食べ終わった頃には体の暑さもすっかりひいた。
「送るよ。どこか行きたいところはない?」
「うん。ありがとう」
大和くんは店のドアを開けると、あたしを先に出してくれた。レディーファーストってやつ?
さりげなくできる彼はやり慣れているように見えた。女の子はこういうところに弱いんだよね。大和くんってモテるんだろうな。
本当に……なんであたしなんかのこと好きになってくれたんだろ。