浮気彼氏はあたしの下僕〜フキゲン恋愛注意報



ひとつの鍵で開けてる。マスターキー?助け出すにはこの鍵が必要なんだ。あたしは大和くんの動きをじっくり観察していた。



3つの鍵を外すと、取っ手を右手で掴み、ガタンと鈍い音がして開かれた。



開いた瞬間、冷気が漂って鳥肌がたった。急な階段を大和くんの手でエスコートされながら降りていくと



「ふざけんな! クソ兄貴!」



真奈美の声が地下室に響いた。コンクリートづくりになったこの部屋はエアコンが入っていて、床には手と足に手錠をされ、転がっている男女二人。



「虎太!」



思わず駆け寄ろうとしたあたしは大和くんの手によって遮られた。



「虎太くんは後頭部一発くらわしてから薬飲ませたからね。まだ目覚めないかな?」





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