浮気彼氏はあたしの下僕〜フキゲン恋愛注意報
大和くんはあたしから体を離すと腰に手を回して、一階のキッチンへとエスコートしてくれた。
「地下の二人はどうだった?」
「真奈美は半狂乱。殺さないでの繰り返し。虎太くんはメンタルが強いね。まだ歯向かってくるから指一本折ってきた」
――!!
指……折ったって……
「さすがに悲鳴をあげたよ。見せてあげたかったな。滑稽なクズの姿を」
「……そう」
早く……早くこの人をどうにかしないと虎太達が殺されちゃう。最悪、正当防衛であたしが……
キッチンに備え付けてある包丁を眺めながら考えていた。