浮気彼氏はあたしの下僕〜フキゲン恋愛注意報
狂ってる。この人に普通の言葉は伝わらない。いつの間にか流れていた涙を大和くんが拭う。
「泣かないで、綾香ちゃんのためなんだよ。足がなければ俺を頼るしかない。ずっと二人でいられる。幸せなことじゃないか」
「だったらお前の足を切れよ」
――!!
大和くんの背後から鋭利なナイフが光る。あたしは予想外の展開に目が見開いた。
「綾香を離せ」
「……チッ、フェイクか」
虎太
虎太が立っている。
大和くんの背後から首もとにナイフを当て、腕を掴んであたしから強引に引き離した。