浮気彼氏はあたしの下僕〜フキゲン恋愛注意報
――あ!!
「虎太! 下がって!!」
「え?」
言うが早いか大和くんはポケットからスタンガンを取り出すと、虎太の首に押し付けた。
一瞬の出来事で、そのまま床に倒れる虎太をあたしは包丁を投げ捨てて、両手で支えた。
「虎太! 大丈夫!?」
「……ってー。くそ、まだ武器を隠し持ってやがった」
よかった。意識はある。だけど電気の衝撃で立ち上がることはできないのか、あたしに体を預ける形になる。
この状態だと、また形勢逆転。あたしは恐る恐る見上げると妖艶に笑う大和くんの姿があった。