浮気彼氏はあたしの下僕〜フキゲン恋愛注意報
「ああ、汚い。綾香ちゃんには消毒が必要だ。ちょうどいい。外は雨だし」
大和くんは虎太の体を蹴ってあたしから引き離すと、あたしの体を肩に担いだ。
「嫌だ! 下ろして!」
バタバタと暴れるあたしをよそに歩き出す大和くんの足がピタリと止まった。
「綾香を離せ……!」
床に這いつくばって、大和くんの足首を握る虎太。まだうまく体を動かせないのか、とても辛そうな顔をしていた。
「クズはクズらしく床を舐めてろ」
「うああっ!!!!」
無表情で大和くんは虎太の折れた指を踏みつけると、今まで聞いたことのない大きな悲鳴をあげた。