浮気彼氏はあたしの下僕〜フキゲン恋愛注意報



「止めて! 虎太をこれ以上傷つけないで!」



お願いだから


もう……




あたしが泣きながら叫ぶと、大和くんの動きが止まる。そしてまた歩き出す。



「真奈美、お前も電気をくらいたくなかったら下がれ」



真奈美は悔しそうな顔で後退りした。そして雨が叩きつける窓の前に立つと素手で窓を割った。



ガラスが散乱して割れた窓から雨風が部屋の中に吹き込んでくる。


よく見ると、窓の鍵には内側からは開けられないように鉄のようなケースが被されてネジで固定されていた。




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