浮気彼氏はあたしの下僕〜フキゲン恋愛注意報
「まだあたしのこと好き?」
虎太は驚いた表情をしつつも、冷静に左ウィンカーを出して路肩に車を停車させた。そしてあたしの目を見て、はっきりと言った。
「大好きだ」
「あたしも」
好きで、好きで、色褪せることがなかった気持ち。だけどこの想いを伝えるには勇気が必要だった。
「本当に……? マジで俺、綾香の彼氏に戻っていいのか?」
今にも泣き出しそうな、そして慈しむ目であたしを見つめてくる。そんな虎太にあたしは微笑んだ。