浮気彼氏はあたしの下僕〜フキゲン恋愛注意報
大和くんと話してると涙が出そうになる。優しい心配りに気遣い。鋭い洞察力にさりげなく頭を撫でてくれた温かな手。彼氏でもない男の子に触れられたのに不思議と嫌じゃなかった。
トイレに入ると、スカートのポケットに入れていた携帯が鳴った。
――虎太からの着信。
うざ……。二股してるくせに!電話もメールも一時はシカトしてやる。あたしは携帯の電源を落とした。
部屋に戻るとみんな盛り上がっていて、あたしも歌ってストレス解消した。
「そろそろ帰ろうかー」
そんな会話が飛び交う中、ずっと隣で話をしていた大和くんが携帯を取り出した。
「連絡先聞いていい?」
「へ? あたしの?」