致死量カカオ
「あ、話をすれば!」
その言葉にびくり体が一瞬にして固まった。
「お前、なにしてんの……」
隣から歩いてきた高城と、いつも一緒にいる男前の友達その1。
高城が学校に来る時間に合わせた私の通学バス。
今日も迷いなく同じバスに乗ってきたから見かけるのも当然な訳なんですけど……。
さすがに心の準備するの忘れてたー!
なにこれ彼氏彼女の朝はどうしたらいいんですか!
目の前に近づいてくる高城の姿に寝不足も加わって一気に貧血状態だ。鼻血は出そうなのに貧血ってなんだそれ。
鼻に全血液が集中してるとかそういうこと?
「ナイスタイミングじゃん!一緒に行けば?」
「うっせーよお前は」
裕子、さん(呼び捨てにする勇気はありませんでした)に高城がすごくラフな雰囲気で話しかけた。
それと同じようにあははと笑って高城に話しかける祐子さん。
ぎりぎりぎり、と胸が痛む。
胃が痛いのかも知れない。昨日吐いたしそのせいかもしれない。
「豊海?どうしたの?」
私の異変をいち早く気付いた千恵子が、気を遣ってか小声で私の体調を気遣った。