致死量カカオ
しかも今だけじゃなくて……お昼だって。
出会って声を掛けてきてくれるだけでも奇跡だって言うのに、お昼を一緒になんて。
騙されているんじゃないだろうかという思いさえよぎる。寧ろその方が納得だよ。
まあ……そんな喜びも一瞬にして気持ち悪さでいっぱいになったんだけど……。
喜びからくる気持ち悪さと。
あとは。
一緒に購買に来てた裕子さんの姿で……。
実際には声を掛ける前から私と千恵子は二人の姿には気付いていたんだけど……。
っていうか私無事に家まで帰れるのか、それが問題……。
「な、なんで……」
「何でって、まあ、恒例行事?」
なるほど!付き合うと一緒に帰るのは恒例行事だもんね。それは納得です。
迎えに来るって言う一点を除けば……。でもまあこうやって来てくれないと私逃げ出しちゃいそうだし、迎えに行くなんて図々しいこと出来そうにないし。
そんな私を見越して来てくれたのかも知れない。
わー優しい!なにこの優しさ!この人もしかして私のことを狙っている殺し屋とかなんじゃないだろうか。
「で?今日は何でそんな死神の顔してんの。すげえ顔」
「……元からです……」
二度も聞くほどにひどい顔をしているだろうか。