致死量カカオ
何で、ここに高城が?
何で、どうして。
「……倒れたんだよ」
ああ……。
高城の言葉にそう言えば吐きまくったなと思いが蘇る。できたら蘇りたくない記憶だけど。
高城の目の前で吐くのは何度目だろう。会う度に吐いているかも知れない。
「え、と……」
きょろきょろと部屋の中を見渡してみると、やっぱりここは見覚えのない場所だった。
だけど保健室によく似ている。
ここ、どこだろう。
「救急車で運ばれたんだよ。ちなみに二時間くらい気失った」
私の考えていることは相変わらず高城に丸見えらしい。
高城は椅子に座ったままそう言って、私にペットボトルの水を渡した。
渡したというか、ベッドに落としたといった方がいいのかもしれないけれど。
「あ、あり、がとう」
そう言って良いのかわからないけれど、一緒にいた高城が救急車を呼んでくれたのだろう。
そこまで危なかったのかどうかはわからないけど……多分そこまでひどくはなかったんだろう。
生き延びた……ってことか。
あっぶねーまじであぶねー。