致死量カカオ
手を繋いで。
腕を組んで。
肩を抱いて。
キスをして。
肌を重ねて。
それなりの行為を重ねて相手も喜んでいたと思っていたのにいつもいつの間にか告げられる台詞。
好きじゃないのかも知れないけど。
じゃあ好きにならせて欲しいもんだ。
俺が振られる度中学から一緒の宮木は口を大きく開けて笑うだけ。
ざまーみろと友達に言われて男と遊ぶ。
そうこうしているあいだにまた告白されて、の繰り返しだ。俺の人生繰り返しなんじゃないだろうか。
このまま何も変わらなかったらどうしようか。
「お前の好みがそもそもわかんねえよなあ」
「かわいいこー」
当たり前だ。
不細工は好きじゃない。
「にしても、統一感がねえよ」
そうか?
っていうか女なんかどれも一緒じゃないか。
よくにた化粧をして、よく似た髪型をして着飾って。違いはあるけど全く違うわけでもない。
しかも見かけだけじゃなく中身だってそんなに大差がない。
嬉しそうな顔して何を考えているのか全く分からない。意味が分からない。別れる前日までにこにこして急に別れ話とか。
「派手だったり清楚だったり。可愛いのは可愛いけどなーむかつくことに」
「お前の顔に産んだ両親を恨め。俺はしらねえ」
宮木の手元のお菓子を少し取ろうと手を伸ばすと、宮木にべしっと叩かれた。