致死量カカオ
そういえば最近でも一番分からないのは、今日のあの女だ。
「何しに来たんだあの女」
「あー今日の昼告白しに来た子?」
昼休みに俺を呼び出したかと思えば廊下の真ん中で俺に告白してくるし。
すげえな、と思ったついでに今回はちょっと毛色の違う女と付き合ってみようかと思えば「死ぬから振って」って意味わかんねーよ。
死ぬわけねえだろ。
付き合ったら死ぬなら告白してくんなよ。
「でも何で今回はあの女の子の告白受けたわけ?今までと雰囲気違うくね?というか普通」
「別に。何か……必死だったから?」
うーんと考えて見てその答えが自然と零れた。
「俺のことすげえ好きなら付き合えるのかと思って?」
「うーわ、俺お前殴りてえー」
もてない男の僻みには興味ねえ。
ただの興味。
今までない「普通」の女の子はどんな感じなのだろうかっていうだけ。
あんな風に必死に好きだって全身で伝えてくれるような分かりやすい女だったら、俺もちょっとは変わるかもしれない。
今まではまあそれなりにオシャレに長けてる様な女ばっかりだったから。
男と遊びに行くって言うからそのまま放って置いたら「何で何も言わないの」ときたもんだ。そのくせとりあえず「誰と?男?」って聞いたら「友達だし大丈夫だし」と素っ気なく出かけていくわけで。
全く理解出来ない。
俺女がわからねえよ。
分かりたくもないかも知れない。