致死量カカオ

だから、あんなにも必死に告白してくるならなんか「何でも許されそう」な気がしただけ。


そんなに可愛いわけではなかったけど、可愛く無い事もないかなと、それだけだったのに。


「告白してすぐ振られるってなんなんだよ」


意味が分からない。
今までで一番分からん。


「お前みてるともてるのも面倒だなーって思うよ」


なんだそりゃ。

宮木の言葉に眉間に皺を寄せながら見つめると「片思いとかしたことねえだろー?」とにやりと笑った。

だからなんだよ……。


「あと見かけがそこそこいいから中身にがっかりされてるのもあるかもなー」


ケタケタと笑う宮木。
自分だって先月振られたっていうのに……。その時慰めた俺に対してお前遠慮しねえな。

そんなこと、自分でだって気付いてるよ。

中身に問題があるとは思わないけど、かといって多分イメージされている俺とは違うんだろうな。

そんなもん知るか。そもそもどんな男をイメージしてるのかもよくわかんねえ。分かったところでそう振る舞うのも御免だけどな。


ばりっともう一袋残っていたお菓子を開け始めた宮木は首を傾げなから呟いた。


「で、あの子は何で倒れたわけ?」

「俺が知るかよ」


うつろな目になってふらりと倒れた。
あのままだったら多分頭から地面に落ちただろうと思う位の勢いで。

俺が受け止めたから良かったもの。

体調悪いなら家で寝とけばいいのに……。
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