致死量カカオ

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好き過ぎて、どうして良いのか分からない。

何かを言いかけて苦しそうな顔をした高城はそのまま私から背を向けて行ってしまった。


「どうした？」

「……ううん」


なんでもない。なんでも。
そう、言う事が出来なくて、そのまま濁して振り返る。

隣のクラスの、といっても同じ中学だった男の子が私の様子を心配して一度離れたはずなのに近くに歩み寄っていてくれた。

今までだったら……。きっとときめいてた。

死ぬほどじゃないにしろ、もしかしてこの優しさは、なんて頬を赤らめていただろうと思う。

正直外見は好みじゃないけど。

私がそんな失礼な事言える立場ではないことは分かっているけど。

だけど優しい事を知っている。
こういう人と、こんな風に恋ではなく傍にいれたらいいのかもしれないと思う。


だからこそ、昨日も一緒に帰ったんだけど。
誰でも良かった。
誰かのことを意識してしまえば少しくらいは高城への思いが薄れるんじゃないかと思った・

結果は言わずもがなだ。
気持ち悪くて仕方ない。

いっそ学校なんか休んでしまいたいけど、さすがに出席日数に響く……。


「彼氏だろ？いいのかー？」

「……うん」


彼氏じゃない、なんて言えないのは何でなんだろう。