致死量カカオ


「いかねえの?」


ホームルームはサッと終わって、すぐさま鞄を背負うと宮木がまたお菓子を食べながら俺を見て聞く。


そんな風に毎日なんか食ってたら太るぞ。

と言いたいけど宮木は多分胃下垂だな。俺よりも食う癖に全然太らない。

あいつの体の中身が気になるくらいだ。


「どこに?」


俺は帰ってゲームでもしようと思うんだけど?なんか予定あったっけ?


意味が分からないという俺の顔に気付いたのか、宮木が「彼女」とだけ返す。


「だから彼女じゃねえし、多分。

勝手に倒れた女の子とを何で俺が心配しなきゃいけねえんだよ」


そんなことよりもゲームがしたいって言ってるだろ。


「あの子、何かすげえひどかったみたいだぞ?なんか保険医が救急車とか叫んでた。

結局なんか友達らしき奴が止めてたけど。何?病弱なの?彼氏なんか知ってる?」


俺と宮木の会話を聞いていたのか、佐々木が自分の席から声を張り上げた。


いや、知らないし。
っていうかだから彼氏じゃないし、多分。

その辺の話も全くうやむやになってるし、あんな風に言われて「俺彼氏です」とか名乗れるか。


仮に彼氏になったとしても会った(付き合った?)その日にぶっ倒れた女のことを俺が詳細を知るわけもないだろ。
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