致死量カカオ

朝の時間を変えて、高城を見る時間をなくした。見つめていたい気持ちは山々だけれども。

だけど、それが結果的にどういう症状をもたらしているのかと言えば、悪化させているだけなんだけれど……。


見かけない分想像してしまう。

その想像はまあ私の想像だから現実にはあり得ない程高城に愛されていたりするわけで。

触れて抱きしめて、愛を囁かれて見つめられてあれしてこれしてああなってこうなって……

そんな想像で吐いて。
今も現にもう既に吐きそうで。

そして別の女の子と仲良くしている高城を思い浮かべるだけで頭痛に悩まされる。

このまま離れて行くんだと、そう思えばお腹も痛くなる。


「結局豊海は、嫉妬したくないから逃げたんだろー?」

「…………」


文句も返せない昭平の直球な言葉に、口がへの字に曲がった。


「何でそこで逃げるかなー」

「だって……気持ち悪いんだもん……」

「誰でも嫉妬するのに。直ぐ逃げるよなあ。すぐ『だって』っていうし」


む……。私の言葉にバカにしてケラケラ笑い出した昭平に、イラッとして睨み付けると、昭平はそんな私の視線を気にすることなく言葉を続ける。


「嫉妬の何がそんなに嫌なのかわかんないけど?

嫉妬するだけ好きってことなんじゃないの?嫉妬するなら嫉妬しない方法を探せばいいのに」


そんな方法どこにあるの?
そんな方法があるなら教えてよ。
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