致死量カカオ
……そんなの。だってあるわけないもん……。気にしてくれているのは、そう言うのじゃないよきっと。
だって……私だもん。相手は私だから。
でももしもそうだったら……。
ショック。
言葉に詰まった私を見て昭平は「な?」と心の中を見たのかと思うくらいに自信満々で口にした。
「そもそも俺らも何も考えずに恋愛してると思われてるのが俺はショックだけどな。
俺らが触れあうのに何の勇気も何の躊躇も無かったと思ってるの?失敬な奴だなー」
……どういうこと?
ゆっくりと顔を上げると、昭平はさっきまでのムカツク笑顔をやめて私を見て微笑んだ。
「でも……死ぬとは違うじゃない……」
「ま、そう言われたらそこまでだけど?だけどお前は高城が好きなんだろ?
好きなのに、しかも奇跡的に高城もお前には気があるみたいなのにそれを手放す方が意味わからねえけど。
お前のこの行動で、高城がお前のこと大っ嫌いになったらどうする?」
そう言われた瞬間、心臓にヒビが入ったんじゃないかと思うくらいに痛みが体中に走った。
やだ。嫌われるなんて嫌だ。
そんなこと考えてなかったけど……自分の事ばかり考えて、そこまで考えが及ばなかったけど。
ないわけじゃない。だけど……この関係になっている今、改めて言葉にされると、もう本当に何もかもを失ったみたいに思った。
そんなの悲しい。それこそ死ぬかも知れない。