致死量カカオ

「お前が『いいよ』とか言っちゃうから死ぬんじゃねえの?そう言ってたし」

「意味わかんねーよ。そもそもなんなのお前ら。何でそんなにあの女を押してくるわけ?」

あーもうめんどくさい。

そう思いながら首をぼりぼりと掻くむしりながら告げると、二人は一瞬見合わせてにやりと笑った。


「いつも可愛い彼女連れててムカツクから?
ああいう普通の子と付き合え。俺たちが救われるだろ?」

「お前らさいってー」


俺よりひでえよ。そこまで言うほど悪くもねえだろ。


呆れ返る俺を無視して二人は「あの子普通コースの2年だって。クラスはたしかCだったかな?」と言いながらぐいぐい背中を押した。


ぴしゃりとドアを閉められて、また一人大きなため息を落とす。


ほんっとうに何を考えてるのか。
男も意味がわからねえな。


「どーすっかな」


確かにこのまま死なれたら気分は悪い。そんなことはないかと思うけど。


ぼんやりと考えながら靴箱に向かって歩き始める。

確か保健室は通り道にあったような気がする。滅多に使用しないからよく覚えてないけど。


「保健室だけ覗いてやるか」


それくらいしておかないと俺も気になるし、あいつらも明日アレコレ聞いてくるだろう。

中途半端なままうやむやになってる告白とかその先のことも気になるしな。

このまま中途半端だとあいつらにも彼氏彼女だ何だのさっきのようにうるさいだろうし……。

どっちでもいいけど、どっちかわからない、っていうのはやっぱり今後余計にめんどくさそうだ。
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