致死量カカオ

そう思うとさっきのいらいらも一瞬だけどこかに飛んでいって思わず笑みがこぼれた。


「そ、そこで笑うの、卑怯……」

「何でだよ」


涙目になった豊海の顔にまたぶはっと吹き出した。

意味わかんねえ。わかんねえけど。俺のことでこうやっていっぱいいっぱいになっているのかと思うと嬉しくして仕方ない。

ゲンキンだな俺も。
そう思うけど、だけど嬉しいんだから仕方ない。


「で?何?倒れる前に言ってくれよ?」

「あ、の」

「うん?」


俺の言葉になんか気合いを入れた豊海がさっき以上にスカートを握りしめる。スカートしわくちゃじゃねえか。


「好きです」



「…………は?」


笑いもどこかに行って目が点になるってこういうことなんだなと思わずにはいられないほど目が点になる。

いや、なんで?
っていうか何があって?何で今更また告白してくるわけ?


「やっぱり、好きで。
すっごい辛くて苦しくて死にそうなんだけど、だけどやぱり好きで」


いや、何を言ってるんですか?
急すぎて理解ができないんだけど……。
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