致死量カカオ
今にも白目向いて倒れそうな豊海を見つめたまま、まだ言い足りなさそうに見えて次の言葉を待つ。
で。それがなんでさっきの告白になったのか。
わかるようでわからない。
一番大事なところがわからない。
それが何かは俺は豊海じゃないからわからないけど……だけどまだ、多分言ってないんだろうなと思った。
「私死にたくない。
これから先、一緒にいたら……もっともっと高城と一緒にいれるのに、そんなすごい幸せな時間を失いたくなかった。そのまま死んだらもっと一緒にいたかったって悲しみながら死ぬんだよね。
だけど、一緒にいなかったらそのうちのほんの100分の1も手に入らないんだよね?
それでも結局高城と一緒にいたかったって悲しみながら死ぬと思うの」
これってさ。
豊海の言ってるこの台詞ってやっぱり。
「死ぬかもしれないけど、それでも付き合っていたい」
すげえ、告白じゃねえ?
「死ぬのかよ……」
ぶっと吹き出して豊海を見ると、豊海は急に慌てて自分の言った台詞を思い出しながら「あうあう」と呟く。
本当にすぐパニックになるな。