致死量カカオ

気が狂ったのかもしれない。
好きなやつができたと思ったら、さすが変な女にひかれるだけあるのか、多分俺も大概変なんだろうな。


口にするのは怖いと思う。
それこそここまで言った豊海は嫌になるかもしれない。

だけどそれでもいいかもしれない。


もういいんだと言う度にそれでいいのかとそのたびに沢田に言われた。豊海にムリさせるなと言いつつも。何がムリをさせることなのか考えろと。


そんなこと今でもわからないんだけど。何をさせても今目の前にいる豊海を見たらムリをさせているようにしか見えないし。


だけど俺の気持ちだって沢田だったら多少なりとも分かるんだろう。いいとも悪いともいわなかった。

だけど宮木は笑った。

人ごとだからだろうけど……。だけど……笑えることなのかもしれない。

いや、おかしいかも知れないけど……。
だけど受け取り方一つで笑えることなんだ。


死にたくないと豊海が思っていることなんか十分わかっているけど。


どんなに誤魔化してどんなに自分の感情を見ないように、このまま消してしまおうとしたって……そんなのできないんだから。




「ほかの男で気分悪くなってんなよ」

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