致死量カカオ
俺の言葉に、さすがに豊海もぽかんと口を開けてアホみたいな顔をしていた。
まあ、そうなるかもしれないことは覚悟の上だけど……。
黙ったままだったらそれこそ、歯止めがきかなくなってた可能性だってないことないしな。
ずっと一人で考えてて、ずっとおかしいと思ってた自分のこの気持ちも、口に出してしまえばやけにすっきりした気分に満たされた。
「……すごい、告白」
「お互い様だろ」
放心状態で呟かれた豊海の台詞に笑う。
俺と同じようなことを言ってるから。
互いにおかしいんだろうな。お前の告白にそう思った時点でおかしかったのかもしれない、俺も。
「でも、やっぱり死にたく、ないんですけど……やっぱり……手とか唇とか体とか触れたいんですけど」
「ほんと、バカだよなお前……」
本当に死にたくないのか疑問なんだけど。
死にたくない割には欲望がすげえ。死ぬかもしれないからすげえのかな。
「頑張れば?死なないように」
「そんな無茶……今でもぶっ倒れたいのに……」