致死量カカオ
ふっと視界が開けて、目の前には高城の顔。数センチしか離れていない場所に……高城の顔。
ってことはやっぱり……?
「毒って慣らしたら耐性つくんじゃね?」
高城はにやりと笑って、そして一瞬だけの、触れるくらいのキスを……。
ってことはやっぱり……やっぱり。さっきのも……。やっぱり……。
キス、デスよね?
ぐわーんと空が視界に入ってきてぐるりとからだが回る。不思議なくらいに体は軽く感じた。
「おま、ちょ、口、口とりあえず閉じろ!」
遠くで高城の声が聞こえた。
ダラダラと口元から何かが零れるのは何となく感じるけど……気合いで止められるはずもない。
もう……無理です。
思いのままにリバースさせてください……。そして今日も家までよろしくお願いします……。
死ぬのは、耐えてみせるから。
……多分。