致死量カカオ
「それがあるんだよねえ。好きじゃないなら、悪いけどあいつをちゃんと振ってくれない?
興味半分で遊べる相手じゃないんだ。あんたも自分のせいで死んじゃったりしたら困るだろ?」
なんだそれ。
告白してきたのはあの女だって言うのになんで俺が言い寄っているみたいになるんだよ。
むっとした俺の顔を見て何かを感じたのか、昭平はくすっと笑った。
「俺に嫉妬してるってことは、そこそこ気になってる?」
「んなわけねえだろ」
なんててめえに俺が嫉妬しないといけないんだよ。ばかじゃねえの?
むっとした顔を見せると、同時に背後から人の気配がして横を見る。
さっき豊海とかを迎えにいった女が一人で戻ってきたらしい。
あの女よりもかわいいと思う女は眉を少し下げて俺を通り過ぎて目の前の男に話しかけた。
「豊海、まだ調子悪いみたい。
さっきのチョコレートもあるかも」
「だからやめとけって言ったのに」
はあっとため息を漏らして頭をかく昭平に、どうする?電話する?と提案をする女の子。
何の話をしているのかさっぱりだ。
とりあえず体調が悪いのだろうけど……。
「俺、帰っていい?」
意味わかんねえし、体調が悪いならもう話すこともできないか。別にどうでもよくなってきた。
もともと好みだから付き合おうかと思ったわけでもないし。ただちょっと興味がわいただけだ。