致死量カカオ
「お前……何で急にお面をするわけ?まずそこから始めようか」
「だって……」
今でも信じられないんだもの。隣に高城がいるなんて。毎日毎日その事ばかり考えてしまって生きて居るのが不思議なくらいで。
傍にいるからあらぬ事まで想像してしまってもう鼻血も止まらないし、最近貧血気味だし、このままだと私何も知らないまま死んでしまうじゃない。
そこで考えたのがお面。
きっかけは昭平の一言。
『高城じゃないと思えば?』
なるほど!
「そう、高城は悪と戦うヒーローなんだよね!」
「いや、違うけど?」
ですよねー。
さすがにこの案はちょっとアレかとは思ったし、昭平の台詞の最後に『それで解決すると思ってるならすれば?』という言葉があったのもわかっているんだけど。
だけど……あの目が。声が。手が。傍にあるのだと思うともう死んでしまうんだもの!全部お面で隠せないけど!
付き合うって何をすればいいのかそもそも分かっていないのに……。
それに加えて隣に高城とか、もう何で私生きて居るんだろう。死ぬならもうこれ襲っても良いかなとか思っちゃうんだもん!
「今、それなりに話ができるのはお面のおかげってこと?」
「……ん?」
はあっというため息と共に高城に言われた言葉。
そう言えば……今は何となく大丈夫かも。妄想はいつも通り絶好調だけど。
だけど……じっと高城を見つめるものの、いつもよりも体調は異変を訴えなかった。
「かな?」
なんでだろう。
仮面を被っているせいで視界が狭いから?とはいえ……目の前にははっきりくっきり高城の姿が見えるって言うのに……。
ポンと手をならす。
ああ、なるほど。
「覗き見して視姦してる気持ちになるから?」
「即刻それを外せ」
ええええーまたそこに話戻るのー?