致死量カカオ

改めて話を聞くと余計に理解ができないな。どういうことなんだろう。っていうかそうだとして。なんで俺に告白してきたわけ?


「高城が女の子に興味持つなんて珍しくない?恋?」


興味……?

裕子の言葉にこれが興味なのかと考えてみる。


わからないことだらけで興味といえば興味なのかもしれない。だって理解できないし。わからないと気になるのはあたりまえだろ。

でもこれが恋かといわれると。


「まさか」


何も知らないのに。

恋が何かももう俺にはわからないけど、だけどこれは違うだろ。

俺はあの女が豊海という名前だったってこととチョコレートアレルギーってこと以外、未だに知らないんだから。


顔もよく思い出せないし。

声だけはちょっと覚えてるけど。


このもやもやした気持ちを晴らすために、できればもっと詳しく話をしたいなとは、思うけど。

そもそもあんな変な理解できない女にほれるほど俺だって馬鹿じゃない。

「でもまあ、大丈夫なのかな、あいつ」

小さくこぼした独り言は、裕子にも宮木にも聞こえることはなかった。

チョコレートアレルギーがどんなものなのか、未だによくわからないけど死ぬこともあるって言うならまあ大変なんだろう。


それと俺の関係はわからないけど。
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