致死量カカオ

男友達は確かに多いように見える高城。

その高城にとって唯一と言えるだろう女友達。しかも元カノ。


ああいう立場になって高城の傍にいれたらいいけど。

だけど私にはそれすら出来ないことくらい分かってる。


友達として傍に居るには……この「恋愛感情」そのものをなくさないと結局一緒だから。


「あーもう死にたぁい、くるしいー」


泣きたいよこんちくしょう。何で告白して上手くいったのにこんなに苦しんだよ。


「いっそ死ぬほど愛してみたら?」

「いやだ」


めんどくさそうに昭平が言った言葉に間髪入れずに拒否を示した。

このまま死ぬなんて絶対嫌だ。

好きな人もあれもこれもできないまま死ぬなんて耐えられない。

このままおばあさんになるのも嫌だけど!

死ぬほど愛する程度ならまだしも死ぬんだから。洒落にならない。


「いいじゃん、愛しすぎて死ぬとか。そこまでの覚悟したら変わるかもよ?」

「人ごとだと思って……」


それで死んじゃったらどうしてくれる。
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