致死量カカオ



高城を知ったのは一年の時だった。

まあ簡単に言えば一目惚れ。


見た瞬間に、ばっくんばっくん動く胸に死を感じる程だった。さすがにそこまで一目で恋に落ちるのは初めてのことだった。

花の女子高生、そりゃ男前は大好きだけど。その中で特別かっこいいとは言えない、けれどそこそこかっこいい高城。

中身なんか何もしらないまま、顔だけは好き過ぎて好きになった。

正直顔さえあればなんでもいいくらい。

今だってよく知らないし。


だけど笑った顔が可愛いなあとか、長く伸びた手足がキレイだなあとか、目力がすごいなあとか、5つくらい空いたピアスはかっこいいなあとか、髪の毛は括っている方が色気があるなあとか。


まあどれも結局見た目だけなんですけど。


友達といつも一緒だから、きっと友達の多い人なんだ。

男友達に人気のある男にした方がいいという姉の言葉を信じれば、きっと高城はいい奴だ。


女の子にもてるのか、まあそりゃもてるか。まあともかくそんな彼の周りには当然の様に女の子だって傍に居て頬を赤らめていた。


綺麗な顔の男には綺麗な顔の女の子が良く似合う。


彼の腕に回された女の子の腕。
彼女に微笑む彼の顔。

抱き寄せる彼の大きくて綺麗な手。
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