致死量カカオ

「や、ちょ……まだよく分からないし……」


私は何も言ってないし。昭平も千恵子もこのことに関しては何も言ってなかった気がする。

昭平にはちゃんと話しろって言われたっけ。

え?何話すの。お付き合いできませんって?私がそれを言うの?


いや無理だろ。
付き合えるなら付き合いたいよ!


「高城の彼女が豊海かー!」


嬉しそうにしてくれているのは喜んでいるからだろう。

千恵子と昭平以外に私の病気?アレルギー?について知っている人は知らないから、多分普通に片思いが実ったことを喜んでくれている。


それが私にとっていいことなのかわからないけどー。

っていうかそれよりも、そんなことよりもこの動悸の速さをどうしてくれよう。

高城の彼女……?なにこの響き素敵過ぎる。

友達のこんな些細な言葉でも吐血しそうだ。鼻血と一緒に吹き出してしまいそう。


彼女……私が誰かの彼女になれる日が来るとは思わなかった。


しかも高城!

一緒に並んで手を繋いで登下校とか!?


手を絡めてそのまま抱きしめ合ったりとか?抱きしめられるついでに首筋にキスされたりしてキスマーク残ったりしてみんなにキャーキャーいわれて?


家に遊びに行くときは二人無言になったりして。いないと思ったおばさんが帰ってきて慌てたりして。


ああ、おばさんとか挨拶どうしたらいいんだろ。ふつつか者ですがどうか宜しくお願いしますとかでいいのかな。


それよりも友達に紹介されたときとかどうしたらいいの!ちょっと友達の男の子と仲よく話してたら嫉妬されてその場でキスとかされちゃったりー!?
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