致死量カカオ

「豊海……妄想ストップストップ」


瞳孔も見開いてゼーゼーいう私に、背後から千恵子が背中をとんとんと叩いて私を落ち着かせようとしてくれた。


いや、もう手遅れかも知れない。


一緒に並んで歩いて一緒に手を繋いで、帰りにアイスクリーム食べたりするのかと思うだけでなにこれトキメキ止まらない……。

いや妄想はもっと先まで行ったけど。


夢にまで見た高校生ラバーなわけで。

一緒に自転車の二人乗りとかして警察に追われてみたいです。


「どーどー」


千恵美に続いて昭平までが私の肩をさすって興奮した犬の様に私の気を落ち着かせた。


ああもう、このまま死んでもいいかもしれない。なんか頭フワフワしてきた。


このまま倒れたらまた授業出られないな。昨日も倒れたし高城と付き合ったら死も問題だけど単位も問題かも知れない。


「千恵子どうしよう、卒業できないかも……」

「うん、わかったからとりあえず落ち着いて……?」

「鼻血出て来たぞお前。卒業出来ない前に出血多量で死ぬから安心しろ」


安心できるか!
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