致死量カカオ

やばい。このままだとマジで死ぬかもしれない。ここまで命の危険と卒業の危険を感じたことなかったのに。


落ち着こうと窓際に向かって、窓から顔だけを出した。


暑い。全然落ち着けない。
だらだら汗が流れるだけだ。


いや、しかし暑さによって高城のことまで妄想する余裕がない分いくらかマシかもしれない。


そう思ったのもほんの一瞬だ。


視線の先に見える姿に、すぐさま心臓はぎゅっと絞られるような痛みと苦しさを私に与える。


何で見つけてしまうんだろう。

男友達と三人で歩く姿。
真ん中が、高城だ。


確か今日は一限目は科学。多分科学室への移動だろう。彼の時間割も完璧な自分にちょっと誇らしげな笑みが零れた。


高城の友達もなかなかかっこいい。

遠くから高城のついでに見るくらいだから名前も知らないけど。


あの中に私も並んで歩いたら逆ハーレムだ。素敵すぎる。三人に求愛されたらどうしよう。されないけど。


天と地が引っくり返ってもあり得ないだろう妄想でも死にそうになる私って逆にすごい。想像力豊かすぎる。
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