致死量カカオ
高城はそんな彼女たちといつも別れるのは早かった。
飽き性なのか彼の性格に問題があるのかわからないけれどそのたびにほっとして、そのたびに危険信号を感じていたんだ。
これ以上好きにならない方がいいよって。
見かけだけしか知らないのにこんなに好きになっては困るんだよ。
中身を知って嫌いになれたら良いと思ったけど中身知る術もない。だって接点がないんだから。
でもどれほど最低でも私彼の顔好き過ぎるから気にならないかも知れないと思う。
顔がよけりゃ赦せるじゃない。っていうか私の中で顔は大事なんだよ。図々しいけど面食いなんですよ。
あの顔で、『豊海(とよみ)』って私の名前を呼んでくれたらいいなと何度妄想しただろう。
あの腕で私の肩を抱いてくれたらいいのに。いっそもう肩だけじゃなくて全部触ってくれたらいいよ。
あの胸に抱かれたい。
っていうか裸もみたい。きっとキレイだ。
あの目に見つめられたい。
あの耳に息を吹きかけたい。噛みつきたい。
ああ、もう根っからの変態だ。
だけどそれが出来ないことくらいはわかってるから。だから。
このキモチを粉々に潰して欲しかった。
そのために、こんな場所で堂々と身の程知らずにも告白したんだから。