致死量カカオ
「話すと死んじゃう!お願いだから何も言わずに罵ってえええええ!」
叫ぶな!
「とーよー大丈夫—?」
ドアが開く音と同時に、声が聞こえて振り返った。
俺が行き来したからベッドのカーテンは既に開かれていて、俺のいる場所は入口から丸見えだ。
最悪だ。
今の状況にも、そして、保健室にやってきたメンツにも思った。
「高城女の子に土下座させてなにやってんの?」
「豊海きたねえ!」
「高城……」
裕子の面白そうな顔に、昭平のうんざりした顔、そして宮木の俺を軽蔑するような瞳……。
ちなみに宮木の後ろには、沢田が俺を見ていたけれど宮木以上に軽蔑の眼差しで俺を見つめた。
……っていうか何で来るんだよ。
昭平の傍の千恵子、だったかな。そいつがすぐさま豊海の傍に駆け寄って、改めて豊海の顔を見ると……マジで汚かった。
さっきからすげえ汚かったけど。
「お前ら何でこのタイミングで来るんだよ」
はあっとため息を落として呟くと、「そりゃあ高城の彼女を見に?」と裕子が返す。
何で俺の彼女をお前が見に来るんだ。そこからしておかしいんだよ。