致死量カカオ

「とりあえず体調悪い彼女に土下座させてる姿、引くわーすごい引くーそう言う趣味だったわけ?」

「ちげーよ!!」


そんな趣味はねえよ!すごい説得力ない画になっているだろうけれど!断じて違う!


「お前もとりあえず立て。俺が誤解される」

「ひい!見ないで!ごめんなさい!もうしません!」

「やめろ!」


慌てて豊海の肩を叩いて土下座をやめさせるように促せば、泣きそうな顔をして、いや、泣きながら、あと汚い顔のまま俺を見て勢いよく後ずさりして相変わらずぺこぺこと頭を下げた。


……マジで勘弁してくれませんか。

背中から突き刺さる視線が痛いんですけど。


「心配して見に来たら予想を遙かに上回ってるよなあ」


あきれ顔を作って昭平が豊海の傍に近づいた。

そして……。


豊海の傍で手を付けられないのかおろおろする千恵子ににこりとほほえみかけてから豊海の傍にかがみ込んだ。


「とよ?」

「しょうへー……」


ほう。そいつ相手には普通に話せる訳か。

昭平の顔を見て安心したかのようにほっとした顔をしてさっき以上に涙をこぼし始めた。


俺がいじめたみたいじゃねえか。

いじめるどころかろくに話しもしてないって言うのに。話が出来る状態にもならねえくせに。

こいつ本当に俺のこと好きなのか?
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