致死量カカオ
どうしたらいいのかまではさっぱりわからないけどー。
どっちにしてもこのまま「お前のことよくわかんないからやめます」なんて俺から言うのもシャクだしな。
「にしても裕子やたらと高城に火をつけるけど何で?一応元彼氏だったわけじゃん」
裕子の態度に疑問を感じたのか、宮木が話に混ざってきて裕子に疑問を投げかける。
それを見て裕子は「ん?」と首を傾げてからくすっと笑った。
「いつもすかしてる男が必死になるとか想像するだけでおもしろいでしょ?
ちょっとはあいつに告白して不安だったり不満だったりする女の子の気持ちもわかればいいのよー」
ケラケラと笑う裕子に宮木が「女ってこえー」と呟いて俺の隣でわざとらしく震える。
俺にしたらお前も裕子も大差ないくらいにめんどくさいんだけどな。
じゃあねーと満足げに俺を見て手を振って祐子は俺らの教室を後にした。
結局何しに来たのかわかんねー。俺をおちょくりに来たのか、ああ、なるほどね。
「とりあえず、放課後捕まえるか」
本人の口からちゃんと話もしておきたいし。できるかどうかは全然自信がないんだけど。
なんか、俺にだけなつかない猫でも拾ったみたいな感覚だ。
つまり、恋愛感情とはかけ離れてる。
はず。
多分。