2222―SF(すっとぼけフィクション)―
○○○○○


空を見上げる。

ワタルにはわかんないんだろな。

この不気味な空の色。

血の混じったオレンジみたいな。

ぽんぽんっ。

あたしはワタルの肩をたたいて、

降りるよっ、

て合図をしたあとで、

ぴょんって地面に降り立った。

んで、
ワタルの両手をあたしの両肩に乗せたげる。

そのあと、
ワタルが、頬に字をかいて、

警報が発令された事を教えてくれた。

わかってます。

この空の色をみりゃね。



あたしらが生まれるずっと前は、

植物というものはうごかなくてあたりまえのものだったらしい。

そんで、
今はといいますと、
紅い雨が降ってるときに外をあるくなんてことは、

サファリパークのどまんなかでピクニックをするようなものなんです。


紅い雨に侵されて目覚めてしまった植物達は、

うちらをみさかいなしにおそってくる。


たまに目にはいる処理しきれなかった死体の一部とかが、

その怖さを物語ってます。

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