2222―SF(すっとぼけフィクション)―
◇◇◇◇◇


あの時は大変だった。

もちろん、
町まで走り続けることができたわけもなく、


結局力尽きたオレ。


途中でユキが、

大きな道のあるほうに行こうって提案しなかったら、

間違いなく死んでたと思う。



最終的には、
動けなくなって倒れたオレの代わりに、

ユキがヒッチハイクしてくれたから助かった。

病気もユキからうつってて、
かなりまずいところまでいったけど回復した。


ヒッチハイクした人には、

すごい迷惑をかけたけど。

なんせ、
最初病気だっていわなかったし。

でも、
町に着いたあとに本当のことをいったら、

すぐに病院にいってくれて、助かった。


あたりまえか…



なにはともあれ、
それからいろんなところを渡り歩いたのち、

オレたちはいちおう、

安全と思える場所にたどり着いた。


オレの生まれた国、日本。


まあ、
ここもホントはそうとうまずいみたいだけど。


それでも今は仕事もあるし、

食べるのにもとりあえず困らない暮らしができてる。


オレたちにとってそれが許されることなのかどうかは、

わからないけど……


死という裁きを受け入れる瞬間を先のばしにした、平和な日々はつづいている。



NEXT
Scene 1
LOVE AFFAIR!
< 8 / 61 >

この作品をシェア

pagetop