授けられた力・消えた記憶
「それで、何を聞いたんや?」
歩を進めるマイに聞く。
「そこ…」
その問いに指を指し、答えるマイ。
そこにあったのは…
「?城?」
そこには、この町にぴったりの、メルヘンチックなお城が…
「そう。この城にいる、サキって子が何かしってるらしいの。」
「んで、ここに来たんか…」
「でも、城になんか入れない…」
もっともらしい疑問である。
「大丈夫だ。見張りもいないし、警戒している雰囲気もない。」
顔一つ変えずに言うルイ。
少し怖い気がするのは気のせいだろうか…
「「…」」
そう感じたのはマイとイワンも同じようだ…
「じゃあ、誰でも入っていいって事?」
素直にその言葉を受けたカリン。
「らしいわ。誰も近寄ろうとしないって聞いたけど…」
「近寄ろうとしない?」
「えぇ…」
その言葉に疑問に思ったルイ。
眉間にシワを寄せる。
「まぁ、いいやないか。行こや。」
「…そうだな。」
考えても仕方ないと思ったのか、そう答え、4人は城へと歩を進めた。