授けられた力・消えた記憶
清潔感漂う広い部屋。
その部屋の中には、驚きを隠せないように女性を見つめる男と、それを見つめ返す綺麗な女性が立っていた。
動かない男から目を反らし、女性は中央に置かれたソファーに腰かける。
「こちらへ来て下さいな。お話をしましょう。」
女性は隣の席に手を置き、男に言う。
が、男は未だ動こうとはしない。
「…」
「さぁ…ルイ。」
女性はニッコリと微笑み言う。
そうそこに立ち尽くし、女性を見つめているのはルイであった。
そしてルイの見つめる先にいる女性こそここのお嬢様、サキである。