授けられた力・消えた記憶

 「…お前と、話すことなど無い…」

冷たく言うルイ。

先ほどの笑顔は消えた。
サキはソファーから立ち上がり、ルイに背を向けたまま言う。

 「あなたがなくても、私にはありますわ。」

そしてサキはルイへと振り返る。

 「!」

それと同時にさらに目を見開くルイ。
ルイの体に何か起こったかのように…

 「私の力をお忘れ?」

 「クッ…」

そう言うサキの目は赤黒く、人間の物とは思えないほどに鋭かった。

その目に見つめられたルイは苦しそうな顔をする。

なすすべもなく、ルイはサキの横へと移動し、サキを睨む。

 「…話ってのは…何だ…?」

 「これからの事についてです。」

 「これからの事…?」

 「はい。あなたが、私の側で使う事です。」

 「!?」

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