授けられた力・消えた記憶
●離れ離れ
先ほどの暗い空気はどこへいったやら、足をブラブラさせたり、ソファーに寝ころぶマイとイワン。
くつろいでいる様子である。
その近くで、未だ浮かない顔のカリン。
暇になって飽きてきたマイは口を開く。
「それにしても遅くない?」
「そやな…ずいぶん時間経っとるで。」
時計を見るように自分の手首を見るイワン。
その行動に、ないだろ。とつっこむマイであった。
そんな2人の行動も知らずに部屋へ何者かが入ってきた。
「待たせてしまってすみません。」
「サキさん…ルイは?」
そうそれはサキ。
だが、そこにはサキ1人しかおらず、ルイの姿は無い。
「ルイは、あなた方とはお会いしません。」
「!?」
「どういう事や!?」
驚いた様子の2人。
先ほどまでふさぎ込んでいたカリンも顔を上げ、サキを見つめる。