授けられた力・消えた記憶

驚きを隠せない様子の3人を気にもかけず、サキは続ける。

 「ルイは私の側で働く事になりました。」

 「そんな!」

マイは叫ぶ。
が、サキは顔色一つ変える様子は無い。

 「そういう事ですので、お帰り下さい。」

 「納得できっかよ!」

イワンも頭にきたようだ。

 「ルイに会わせて!そうしないと、帰らない!」

マイとイワンはサキに迫りよる。

 「…」

が、カリンは何も言わない…いや、言えないのだろうか…

 「それはできません。ルイは自ら会わないと申しているのです。会うと辛くなるからと。」

 「んな…」

再び反抗しようと声を上げたイワン。しかし、その言葉は途中で遮られた。

 「行こ…」

その言葉を遮ったのはカリンである。

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