授けられた力・消えた記憶

広い部屋…
そこは清潔感漂う部屋だった。だが、今はそんな面影もないほどに、色々な物が散乱していた。

 「…」

サキは目を赤黒く輝かせ、マイとイワンを睨みつけていた。

なにもしていないはずだが、サキの周りの椅子や机などが、2人を襲っていたのだ。

それをなんとか避ける2人。

 「…何とかしぃや…」

マイの影に隠れながら言うイワン。

 「何よ…自分から言っといて…」

マイは弓を構えながら言う。
だがその弓は、放つ為ではなく、威嚇する為に構えているのだ。

 「んな事、どうでもいいやないか。はよ…」

 「…そう言っても、相手は人間。何もできないわよ…」

 「…」

2人の会話を聞きながら、サキは動きをみせた。

       バッ

 「!逃げた!」

そうサキは部屋を飛び出したのだ。

 「逃げた!じゃないでしょ!カリンが危険よ!」

 「!」

サキはカリンを追う…

そしてそのサキを追うマイとイワン…

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