授けられた力・消えた記憶

城の一番上の階の部屋。
その前にカリンがいた。

 「ハァハァ…ここ…?」

息を切らしながら、扉を開く…

      ガチャ…

 「…」

そこは暗闇…なにもないような開かれる事のなかったような場所…

 「ルイ?」

カリンは目を凝らしてルイを探す…

 「…」

 「…!ルイ!しっかりして…」

部屋の真ん中付近にルイの姿があった。

倒れるように横になっているルイ。そんな彼の頭をカリンは抱える。

 「…」

 「…寝てるだけ?」

ルイは目を瞑ったまま動かない…
苦しい顔をしているように見えたその顔に、カリンは手をあてる。

(!深い眠りに入ってる…何とかしないと…)

 「…」


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