授けられた力・消えた記憶
何も知らないルイは、深い眠りの中にいた。
暗い…俺はどこにいるんだろうか…
動けない…どこだここは…
その時…
『ルイ…』
(…何だ…?)
(遠くから呼ばれてるような…)
透き通る声で名前が呼ばれた。
誰かがルイを呼んでいる。
『…目を覚まして…』
(目を…覚ます…?)
その声はそう言う。
どういう意味なのか…
『ルイ…』
再び声はルイの名前を呼んだ。
その声に導かれたように、ルイの目が開く…
「…」
ルイは目を開き、自分を抱えている者を見つめる。
「…カリン…」
ルイを心配そうに見つめる澄んだ瞳…
そうそれはカリン。
「!ラビ!」
カリンは目を開き、自分の名前を呼んだルイを見つめた。
その目には、うっすらと光る物が…